にんげん

ミストのにんげんのレビュー・感想・評価

ミスト(2007年製作の映画)
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「驚愕のラスト15分」「衝撃の15分」というワードが有名な本作。胸糞らしい程度の知識で、所謂ネタバレには触れずに視聴。
期待して観た後、はじめに出た感想は「えぇ……?もう1回観よ……」でした。

前評判の通り胸糞ではある。でも衝撃か?いや確かに衝撃かもしれない。いや、だけど。ん?
頭が混乱して、いいか悪いか、好きか嫌いかの判断ができない。確かめるようにもう一度再生ボタンを押しました。

そして何度か視聴を繰り返した末に出した結論を述べると、「私は好きだけど、映画としてはそんなに正統派じゃないかな。高評価を得られるべき作品ではない気がする」といったところです。
興奮する!秀逸!というよりは興味を引かれるといった部類の「面白い」で、噛めば噛むというスルメちっくな魅力がありますね。

恐慌状態に陥った人間の心理や世の無常さを上手に描写しているなあといった印象で、画面の構成がカッコよかったです。いちいち絵になる。
でもこれを良しとして「衝撃の15分」と言ってしまうと何でもアリになるのでは?という気持ちはありますね。この終わりはある種反則ではないでしょうか……。何にでも付け足せて、簡単に「衝撃」にできる魔法のエンディング。まあミストらしいというか、ミストだからこそ引き立つ、がっちり噛み合ったエンディングだと思いますが。
世の無常さを引き立たせるこのエンディングが私は好きです。時々見返したくなってしまいます。
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