黒澤明後期の作品としては代表作になりえるスケール感のでかさ。
しかしそれゆえに資金が集まらず、盟友のコッポラやルーカスが手助けをしたのは有名な話。
影武者とは戦国時代の武将武田信玄のために用意されたものであり、自身の死で部下の士気を下げないために影武者を用意して3年間伏せておくため。
ところがこの影武者本人と違い盗人であり、性格は正反対。
身内を含めて影武者はいかにして騙せるのか。
歴史はこのあと長篠の戦いで武田勝頼は敗れ滅びることになるが、影武者の心意気が少しずつ変化していくところがミソ。
ラストなどもただの盗人なのだが、信玄の心情をしっかりと受け継いでいる。
やはり2役を演じる仲代達矢に尽きるのだが、3時間ある中で必要あるなしが見え隠れするのが残念だ。