ラーチャえだまめ

メメントのラーチャえだまめのレビュー・感想・評価

メメント(2000年製作の映画)
5.0
『“裸の王様”』



どーもどーも昔誰かに「お前のアタマはニワトリか」と言われた気がするラーチャえだまめです。早速ですが本日はそんな3歩ならぬ“10分経つと記憶が消える”中で己に課した“復讐”を成し遂げようとする全身入れ墨男の珍道中


【メメント】!!!ノーラン特集〜!!先日「フォロウィング」をご紹介しましたが、クリストファー・ノーランの名を一躍世間に知らしめた、まだ「ダークナイト」を撮る前の“初期ノーラン作”として弟ジョナサン・ノーランの執筆した短編小説を映画化し2000年に公開されたコチラ。「フォロウィング」に次いで今度は1週間限定で劇場公開されてしまうという!?レアな体験を先日させて頂きまして、いやー当時「ビギンズ」でノーランを知ったのと当時私がドはまりしたプレイステーションの「サイレン」というホラゲーの“元ネタ”にもなったこともあり、当時レンタルして見た記憶以来、なんでありますが……


おやおや?最後にこんな“語って”たっけ??やっぱり“記憶”というのは曖昧になるものですねー。そんな「記憶より記録」派のガイ・ピアース演じる“レナード”という男は、愛する妻を何者かによって眼の前で殺害され、自身も犯人と死闘中にアタマを強く打ち“記憶が10分しか持てない特殊な記憶障害”を患ってしまいます。未だ未解決のこの事件の犯人を見つけ出し亡き妻への“復讐”を心に誓ったレナードは?10分間しか持たない記憶の中で、なんとか犯人の足取りを掴もうと奮起する。しかし記憶を“上書き”出来ない彼にそんなことなど可能なのか?そこでレナードは考える。犯人の情報は“すり替えの効かない”己の肉体に“入れ墨”として記録、また出会う人全ての顔写真をポラロイドで撮影、写真に人物の情報をメモし出会った記憶を失ってもすぐに誰なのか把握出来るようにした。こうしてレナードは体の入れ墨と写真の情報“だけ”を頼りに、犯人探しの旅に出る……。


“記憶を持てない男の犯人探し”というトリッキーな設定からしてもうノーラン万歳なのですが本作はなんと言っても我々視聴者も?レナードの“疑似体験”が出来てしまうという!?


「時系列の逆行」コレなんですね〜。本作は各シーン毎に“区切られて”描かれる。えーっとつまり本作を全部で“10個のシーン”にわけるとするでしょ?で通常の映画なら1から順番に描いていくのを、本作はケツの穴の10のシーンから描くのです??そして10の最後が9に繋がり、今度は9から8、7、6、5……時系列を逆走させて見せるこの画期的な手法。この手法により我々視聴者は毎度そのシーンの「結果」から見せられるから「状況が把握出来ない」。そしてこの感覚こそが、さっきまであった10分前の記憶を失い毎度状況が把握出来なくなるレナードの感覚のそれなのです。だから我々もレナードと一緒になって犯人は誰なのか推理しながら、そしてこの物語が一体“どこから始まったのか”を紐解いていく。


↓ブログにもあげました(ネタバレなし&ネタバレ・考察)↓
https://www.edamame-movie.com
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