【第15回ベルリン映画祭 金熊賞】
ジャン=リュック・ゴダール監督によるSF映画。歌手のエディ・コンスタンティーヌが主演をつとめ、共演にはアンナ・カリーナを配している。
難解!とにかくよく分からない。まあゴダールだしね。ゴダールのSF映画ということでどんなことになっているのかと思っていたけど、割と真面目にSFやっていてよかった。
エージェントのレミーは人工知能が管理する都市アルファヴィルへ潜入する。そこで出会ったナターシャと脱出を試みる…という、大筋で言えばそんな話。
しかしそこはゴダール、一筋縄ではいかない。抽象的なセリフが多くを占め、単純なSFサスペンスアクションとは全く異なるテイストになっている。近いのはやはりタルコフスキーの『惑星ソラリス』だろうか。
未来を感じさせる美術や小道具、衣装などはなく、普通の都市を映しながらも未来感を感じさせるようになっている。シンプルな世界観構築が上手くいっている。
ゴダールらしからぬ設定ながらも語り口は完全にゴダール。難解。しかし、ラストはSF映画らしい結末を迎える。不思議なテイストの作品だった。アンナ・カリーナの佇まいも美しい。