アン子

ベスト・フレンズ・ウェディングのアン子のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

【今なら炎上する神作】
好きな人を結婚前に横取りしようとする話。
横取りされる女性にとって気持ちいいぐらい嫌なことをする主人公で、今なら公開後に怒られそうで制作できないと思う
ダメなことだけど好きになったらしちゃいたくなることを全部する主人公で、それがいい

主人公は美貌の持ち主で、色んな男性にデレデレされる。美しすぎてデレデレされるのが当たり前で、それに罪悪感を感じないどことなく無自覚な感じがちょっと腹立つ笑
横取りされそうな花婿も主人公にメロメロで、花嫁サイドに共感しだすともう駄目になる。

今回私は主人公サイドで見たので爽快になった。

主人公は色んな男を無自覚にメロメロにしてきた。美しいプロポーション、声や目つきが最高で、男性に優しくされないことがなかったんだろうな女性。だからやりたいことが異性に通るのが当たり前の世界で生きている感じがして、それだから今回のひと騒動が起こせたんだろうな
何度もひどいことができるんだけど、横取りしたい男性や傷付けたい女性が泣きそうな顔をすると自分も泣きそうな顔になって、しめしめという顔をしなくていい人なのが伝わってくる。
どんなに仕事を全力で頑張って性格がよくても、恋に狂ってしまうことはあって、だから普通の人でもやりたくなることを自由にやる主人公に共感の嵐よ
しかも意中の男性は9年間自分のことが好きだった、ってそれは激病み案件よね

傷つけたい女性(Kimmy)は若くてかわいくて、思いっきり睨めつきたいのに性格も一直線で素直、っていう女性が嫉妬しやすい典型的な今彼女の例

奪い取りたい男性(Michael)は社会的地位はないけど自由人、眉毛がステキな男性
前好きだった主人公(Julian)にまだ未練があるのは今彼女目線ではイヤだけど、主人公目線だとすごくありがたい。
この描写は現実でもきっとあることで、直近まで好きな女性には色目使っちゃうし、とろんとした目を瞬間でもしちゃうし、ここはリアルだと思う。不誠実だけどね
しかも美貌のJulianにはずっとめろめろになっちゃうよな〜そりゃ

Michaelは売れないスポーツライターで、は彼を地位のあるオフィス職にするのは今より昔の価値観って感じ
1997年の作品だから、堅実な職種の方が結婚(永年の役割)にあってるって価値観なんだろうね

主人公は引っ掻き回した結果振られて、自分が彼を解雇させたことも言う。
「私は本当に最低でビッチで、いやそれ以下のゴミだわ」
って彼の前で懺悔した時に、
「いや、君はそれ以下だ。ビッチになる細菌を撒き散らすゴミ以上の膿だ」ってかなり酷めのことをキッパリ言われたのがいい。
主人公に寄り添うならオブラートなセリフで終わらすのに、男性の気持ちに沿わせた表現だなぁ

人によってはもっと主人公をメタメタに制裁してほしかったんだろうけど、私にはあのラストがすごく素敵
ゲイの友人はゲイかもしれなくて、主人公のためにあんなに奔走してくれる彼は親友じゃなくてもしかしてもしかしてこれから主人公にアタックしまくるんじゃないかっていう幸せな二次創作ができそうなところが素敵だ。

Michaelを争う女性二人がとにかく美人!二人の横顔を見つめるだけでも見る価値あり

またこの作品はコメディで、ふふって笑っちゃう描写も多し
・キャットファイトは大衆の女子トイレで。色んな年代や見た目の女性がヤジを飛ばす。
(これの前に主人公は色んなひどいことをしてるから、そのヤジが主人公に制裁を与えてる感じがスカッとした
・風船を膨らませるためのヘリウムガスを未成年の弟や友達が大量に吸って、へらりながら高音でハモって歌う ファンキーな讃美歌みたい
・JulianがKimmyを探してお手洗いで「キミー!!」って大声で呼ぶ時、やまびこみたいに気狂いの人が「キミ〜」ってハモってくるところ 邪魔だけど笑っちゃう
アン子

アン子