たき

フィッシュストーリーのたきのレビュー・感想・評価

フィッシュストーリー(2009年製作の映画)
4.0
伊坂幸太郎原作ということで観ました。原作は未読。

珍しくちょこっとあらすじの前半だけ読んでしまったんですね。てっきりよくあるパンクバンドの成り上がり承認欲求満たしまくりネタかと思いきや、そこは伊坂幸太郎。一筋縄ではいきませんでした。まさか、冒頭からそんな展開とは。

このひとが正義を語ると聞くと、いささか緊張というか、なんだろう、ある種の期待というべきなのてしょうね。なんだかざわざわしてしまうのです。
なんせ「重力ピエロ」という自分にとっての楔のような作品があるので。←なにが言いたい。

なにがいったい正しいのか。往々にしてひとは迷いますよね。

はたして数時間後に彗星が衝突して人類は滅亡してしまうのか。
それともアルマゲドン作戦なる荒唐無稽なミッションが成功して未然に防げるのか。
フィッシュストーリーとやらの意味が、ほんとに僕の孤独を魚に例えたものなのか。
今夜会う女は運命の女で、あの女の言葉はほんとに予言なのか。
誰にも認められないこの歌が、いつか誰かの心に届くことがあるのか。

所詮、今しか生きることのできない自分たちにとって、それは結果論で語るしかないわけで、だけど、普遍的な絶対の正義というものは確かに存在する。
それは例えば困っている女性を身をもって救うことだったり、好きなものを、妥協せずとことん突き詰めることだったり、最後まで希望を捨てずに未来を信じることだったりするわけですな。

そういう意味では、とことん、正義の味方しか出てこないおはなし。(正義とは、それを守ることで幸せになるためのルールだからですな)
とてもとてもよいおはなしでした。

森山未來の殺陣が超絶かっこいいんですけど。ストーリーと演出も相まって、(あそこはほんとにそうでないとダメなのですけれど)もう、ほんと、これ以上ないくらいにシビレる殺陣でした。かこよかった。

多部ちゃんが丸い。そしてJK。委細構わず泣きじゃくる。かわいいしかない。
たき

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