キャッスルグレンギャリ

たそがれ清兵衛のキャッスルグレンギャリのレビュー・感想・評価

たそがれ清兵衛(2002年製作の映画)
4.5
U-Nextで観賞。純日本的なコメディを作ってきた山田洋次の作品群の中で本作がヨーロッパで評判だとnoteの記事で読み、未観だったので観賞。日本アカデミー賞全冠制覇した評判の作品だったのですね。
まず見事なのは配役だと思います。真田広之、宮沢りえの二人はもちろん、田中泯の迫力、意外といい人の上役小林稔侍、声色がいかにも卑怯な男という大杉漣、清兵衛の娘役の二人。
物語は江戸時代と言っても明治維新の少し前。そういった意味では最近の武士の時代の貧しい武士の生活を描いています。貧しくとも正しく生きようとする武士。その父親と優しい義母に育てられた娘は明治維新の時代幸せに、おそらく裕福に行きたということがわかりホッとした気持ちになれました。幸せに、おそらく裕福だったことを観る者にわからせるための岸恵子の起用だったと思います。これも見事。
5点満点でマイナス0.5だったのは清兵衛が幼い頃から朋江を思っていたというのに、なぜ亡き妻といっしょになったのかがわからないこと。朋江との身分の違いをいうなら亡妻も清兵衛に似合わぬ身分の家の娘だったようだし。細かいことですがね。