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若草の頃のCharlieZGのレビュー・感想・評価

若草の頃(1944年製作の映画)
3.4
万博目前のセントルイスの或る家族の1年を描くミュージカル。

1944年第二次世界大戦中の暗い世相に古き良き暮らしを想起させ全米大ヒットしたそうだ。
ヴィンセント・ミネリ監督の出世作。
主演は21歳のジュディ・ガーランド、四女トゥティー役のマーガレット・オブライエンの好演も目を引く(同年アカデミー賞子役賞受賞)。
2人がパーティで踊るケークウォーク「Under the bamboo tree」の可愛いこと。

“アルプス一万尺”を引用した「Skip to my lou」のフォークダンスをはじめ、踊りは時代を反映させた社交ダンスがメイン、クリスマスパーティーでクルクル振り回されるように踊るジュディが可愛い。

ヒュー・マーティンとラルフ・ブレインによる歌曲が良く、中でもジュディの歌うクリスマスソング定番の「Have yourself a merry little christmas」はこれが初出で必見。

年頃の姉妹の恋心や悪戯からのハプニングや転勤話で揺れる家族の気持ちなど他愛ないけどかけがえのない家庭の様子が暖かな気持ちにさせてくれる。

白とピンクの窓のひさしの付いた屋敷が古きモダン・アメリカンで実にオシャレ、室内の壁や家具調度品も豪華で1903年(明治36年)なのに電話が引かれていたり、道路は舗装されてないけどこれで中流とは今の日本と比べても豊かさの度合いが全然違う。
1944年というと日本では国をあげて戦争真っ只中、こんな優雅な映画を作れる余裕のあったアメリカに敵うはずもない。

芝居と歌がくっきりと分かれている構成がミュージカル苦手でも観易かった。
キャストのちょっとした表情もクオリティが高く演出の賜物か。
良かった。


監督 ヴィンセント・ミネリ

キャスト
ジュディ・ガーランド
マーガレット・オブライエン
メアリー・アスター
ルシル・ブレマー
トム・ドレイク
レオン・エイムズ
ハリー・ダヴェンポート
ヘンリー・H・ダニエルズ・Jr.
ジョーン・キャロル
マージョリー・メイン
ジューン・ロックハート
ロバート・サリー
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