北九州出身の監督が、
北九州出身の役者を起用し、
北九州を舞台に描く映画を
北九州人がレビューする
— 光石研の北九州弁が炸裂 —
今や、正義感のある真面目なお父さん役をやらせたら右に出るものはいないぐらいの、名バイプレーヤー光石研。
この映画の彼の北九州弁は見もの。
光石研が演じていた、なんか喧嘩売ってるような乱暴に聞こえる喋り方するお兄さんって、昔は結構いたんです(笑)
例えば、シーンのなかで、後輩との掛け合いで、
「きさん、くらすぞ!」
ってあるんですが、”くらす”って”暮らす”ではなくて、関西風にいうと「いてこましたる」みたいなニュアンス、でも本気度はほぼゼロなんです。
小学生とかでも普通に使ってる言葉です(今はわかりませんが、自分は子供のころから普通に使ってた(笑))
ちなみに、あちらの観光ビデオでは、元グラドルの紗綾(彼女も北九州出身)とかと一緒に出てたりしてました。
それと、板谷由夏の北九州弁が妙に堂に入ってるなぁと思ったら、彼女も北九州出身だったんですね。知らなかったー。
— この映画には出演してないけど、北九州出身の有名な役者 あれこれ—
高倉健、草刈正雄、ロバート秋山(笑)とかも北九州出身。
高校の数学の先生が、ドヤ顔で、自分の教え子に草刈正雄がいたと自慢げに言ってたのを覚えてる。
すみません、北九州バイアスがかかったレビューで恐縮です。
— ラストが印象的 —
主役の浅野忠信はそこにいるだけでアウトローなので、どんな作品も浅野色に染まってしまうのだけど、今回、脇を固めた役者陣の力量がすごいので、なんとかバランスをとっていたかと。
ラスト、風船がふわふわ空中に飛んでいって、どんどん大きくなって、ついには炸裂するのだけど、なぜか大量の水が割れた風船から落ちてきて、下にいた役者たちに降りかかり、びしょ濡れに。
なんかコントみたいなラスト。
監督、あれって、子供の頃みてたドリフですよね(笑)
自分なりの解釈だと、それまでに流れていたドラマの予定調和を壊す=破裂=水に流す
的な、監督なりのメタファーがあるような気もした。
これはこれでありなのかもしれないと思ったしだい。
— 青山監督を偲んで —
青山監督が高校の後輩と知ったのはずいぶん大人になってからで、そんときは「おお!ぜったいみるぜ!」と意気込んでいた。
なのに。。。なんと今頃になってしまった。。。
同郷人の風上にも置けない、この怠惰な不義理を許して欲しい。
映画の冒頭で、門司港を上空から流すシーンがあって、それは「レトロ門司港」という町おこしで町の風景がガラッと変わった後なので監督や自分が少年期にみていた原風景ではないのだけど、子供の頃柵を越えて入った敷地とか、よく自転車で走った懐かしい海岸線とかはそのまま残っていて、シーンにたくさん出ていた。
自分が子供の頃遊び回っていた地域が映像化されるのって、ほんと嬉しいものです。
せめて監督の生前に観て、監督に感謝の言葉を伝えたかった。
なので、この場をかりて、
青山くん、ありがとう!!