真っ黒こげ太郎

ハロウィンの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

ハロウィン(1978年製作の映画)
3.8
志村後ろ、うしろー!w

うーしーろー!wwwww



ハロウィンの夜、マイヤーズ家で6歳の長男のマイケルが長女のジュディスを包丁で刺し殺す殺人事件が発生。

マイケルは精神病院に入れられたが、事件から15年後のハロウィンの前夜、それまで病院で大人しくしてたハズのマイケルが車を奪い突如脱走!

奪い取ったマスクと包丁を身に着け「ブギーマン」となったマイケル・マイヤーズは何故か高校生のローリーを収容に突け狙うのだった…。



ハロウィンの夜に現れた殺人鬼の恐怖を描いた、スラッシャー・ホラー。
「ハロウィン」シリーズの一作目にして、「殺人鬼が現れ若者達をを次々殺してゆく」というスラッシャー映画の元祖。
本日はハロウィンという事で、この機会にスラッシャー・ホラーの開祖でもある本作を観てみました。

そんなホラー映画の歴史的に貴重な作品だが、実は直接的な殺害シーンは殆どなく、ゴア描写も皆無で、流血も冒頭にちょろっとあるぐらい。
殺した人数も少ないし、血が出ず死んだ連中も殆ど。
展開自体も静かで、ラスト30分を過ぎないと殺人鬼と主人公が絡まないと、テンポ自体もゆったり目。

まぁ、今じゃ亜流やオマージュ作品が山のように出てるのでしょうがないっちゃしょうがないんだけど、近年の残酷描写や勢い重視な作品と比べると物足りなさを感じてしまうかも。
(正直な話、中盤辺りまでは余りにもスローテンポすぎて眠くなりました。wまぁ後半は怒涛の展開の連続で目は覚めましたが。)


ですが、本作の物静かな雰囲気やゾッとさせる雰囲気がやたら怖い。
ふと気づくと遠くで眺めて立ち尽くしてたり、暗がりの所から白いマスクの顔をのぞかせている姿がゾクッと来る。
オマケに何でもない場面の後ろにサラっといたり、一般人とすれ違ったりと、正に神出鬼没。
ここまで来ると心霊ホラーと言ってもいいかもしれない。
(まぁ、傍から見れば不審者以外の何物でもないが。w)

本作の殺人鬼であるブギーマンは何故か不死身の肉体を持ってて刺されたり撃たれたりしても起き上がったりして、不気味さを助長していた。

後、ブギーマンの行動もかなり意味が分からないものが多い。
そもそも最初の殺人の動機自体が分からないし、ヒロインを突け狙う理由も分からない。
本編の挙動も変で、何故かシーツを被りメガネをかける変なオシャレを披露したり、殺した相手の前で何故か首を傾げたり、マスクを取られると慌ててかぶり直したりと、マジで何を考えているのか全然分からん。
しかしその変な挙動が本作の不気味さを引き立てていたと思う。

3、4曲しかないながらも、不気味さを煽っていて印象的だった。


残虐なバイオレンスを期待すると大失敗するだろうが、静かな恐怖を丁寧に描いており、徹底して恐怖感や不気味さを描いていた。
この不気味さが他の亜流作にはない「本作ならではの味」なんだと思う。

古いクラシックホラーではありますが、スラッシャー・ホラーの元祖としての風格をしっかり漂わせた、実に不気味な一作だった。
この手のスラッシャーにしては物足りないかもしれんが、こういった映画で歴代のホラー映画が歩んだ道を感じるのも一興。

しかしあのラスト、続編が気になってくるやないけ。
2作目があったり、2018年に直接の続編が生まれたりしてますがそれらはどうなんでしょうかねぇ。(知るか!w)
後、リメイク版も気になります。