ウサミ

七人の侍のウサミのレビュー・感想・評価

七人の侍(1954年製作の映画)
4.2
今年は映画の年にします。
ということで気合入れて黒澤作品を。

名作と呼ばれるだけあって、シンプルに面白く、時間を感じさせない作りになっています。キャラクターの存在感と、彼が戦う意義と、守られる存在のありのままの姿が無駄なく書かれており、全てが繋がって展開していく様が心地いいです。
美しいカットや印象的なシーンも豊富で、後から思い出したくなる瞬間がたくさんあります。
勧善懲悪のカッコいいムービーですが、やはり随所に人間の悲哀があり、どこか切なさを覚える作品になっています。
面白いから誰でも楽しめて、ただ心に残るから、様々なシーンから意味を探り、深読みしたくなる、そんな作品でした。

三船敏郎演じる菊千代の役柄が魅力的。
コメディ要員ながら熱くてまっすぐな男、今では人気キャラの定石ですが、この頃に生まれていたのか。
後は仕事人久蔵や、軍師勘兵衛など、たくさんのキャラを見事に際立たせており、退屈がありません。
長尺ゆえ観るのに腰が重かったですが、見始めたらあっという間でした。
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