大河ドラマの短縮形のような感じもするが、時代の激変期で激しく生き抜く人々の姿をダイナミックに描き、見応えのある歴史大作!
歴史上の人物のドラマはなかなか難しい。
視点が複雑過ぎては観客に伝わらないし、
簡単過ぎると、その時代に生きた感じがしない。→今の大河ドラマはその典型。西郷さんは今のリベレ議員かい?
その点、本作は非常にシンプルでありながら、時代感も出している点は、とても観やすい&重厚さも兼ね備えている。
つまり、歴史の狭間、
中世の貴族・院による勢力と
新しき武士階級の対立。
いや、まだ対立まで行っていない。
よーやく武士が都に進出し始めた頃の物語
合戦で手柄を立てても、謁見も恩賞もない武士。
合戦後の宴席も自腹で馬を売って賄っている。
さあ、そこから平清盛を先頭にどうやって旧体制を打ち破っていくか、
歴史は動くぞ!って、ワクワクします。
それと、大河ドラマの主役なんかもそうなんだけど、
「こいつは歴史を引っ張っていくかも!」て、雰囲気を持ってないとね。
その点、市川雷電はすごいわ!
粗削りたけど、あ、こういう人が切り開いいくんだなって、説得力かある!
さすが、銀幕のスターさんはオーラが違う。
そして、この映画の製作年。1950年。
もちろん、そっからだって、平安時代末期は、はるか、はるか過去なんだけど、
武士の屋敷だとか、町や市の様子なんかが、作り物ではないリアル感が漂ってくるのもこの映画の魅力の一つ。
昭和30年は、かすかにだけど、中世とも地つながりだったのかもしれないな、なんて感じました。