25歳以降歳を取らない、時間=通貨という設定。
時間を時間で稼ぎ、時間を時間で払う(バスなど)。
さて、昨今の考古学の研究成果によれば、貨幣の起源は物々交換ではなく帳簿、特に貸借関係であることがわかってきている。例えば、当時では特に春が旬の魚であるカツオとみかんを“同時に”交換するのではなく、春にカツオを提供(債権)したことと、秋にみかんで返却(債務)することが分かれば、“同時に”交換しなくても良くなる。この関係をより単純かつ簡単にしたのが貨幣である。
本作では、一部の富裕層が時間を貯め込んでいるせいでデフレで貨幣価値(時間=寿命なので貯蓄傾向が強くなる)が上がりそうな感がある一方で、スラム街では「間引き政策」によって物価を上げる(賃金を下げる)という最悪スタグフレーションな格差社会を描いている。
労働価値説的に言えば、そもそも金は時間を投下した対価として得ていることを思い出させてくれる。