昼行灯

痴人の愛の昼行灯のレビュー・感想・評価

痴人の愛(1934年製作の映画)
3.7
ベティ・デイヴィス大優勝。終盤のヒステリックに悪態をつく長い台詞は本当に凄みがあった。不良だけど嫌いになれない少女から、厚化粧になって物乞いをする女、ミイラのようになる最期まで20代で演じ分けるとは、、!この映画での評価があってこそイヴの総てが光るものになったのかもとも思う

題名は日本での同名小説の人気にあやかってのものなのかな。ただこのベティがナオミズムにあるのは序盤だけだった。ベティが男を股に掛けるのは生きるためなんだろうけど、ナオミはそこまで生活に困ってる感じはない。あとナオミほど無理難題を突きつけることも無く、男がしてくれるから付き合ってるだけ感が強い。ベティ、素直に主人公と結婚したら良かったような気もするけど、、
男側も最初は谷崎小説と同様だったけど、あとは1度は惚れた女に対する紳士としての振る舞いで世話してて、むしろ光源氏的?

人物を正面から映すショットが多いのと、ベティが体を常にくねくねさせてるのはサイレント期の名残なのかな。あとオーバーラップが特徴的だった。
昼行灯

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