稀

ハチミツとクローバーの稀のレビュー・感想・評価

ハチミツとクローバー(2006年製作の映画)
2.0
美大生による一方通行な群像劇。

ベタな恋愛映画ではなく、主要人物のほぼ全員が自身の片想いを持て余し、空回ったり足踏みしたりしているのがよかった。大学生活ならではのモラトリアム感にもノスタルジーを感じられた。雰囲気はとても好み。
反面、ドラマとしては盛り上がりに欠ける。恋愛を主軸にしながら、最初から好きだったり、一目惚れだったりするせいで、登場人物になかなか感情移入できない。ずっと大学生のホームムービーを眺めているような感じ。
美大生ならではの作品作りの苦悩も表面的で、はぐみは森田にキスされたからスランプになったようにしか見えないし、納品した作品を燃やす森田は放火犯。真山はずっとストーカーしているだけだった。
漫画の人気にあやかった映画と言ってしまったらそれまでだけど、映画単体でもう少し楽しまてほしかった。
稀