ヘソの曲り角

人生は四十二からのヘソの曲り角のレビュー・感想・評価

人生は四十二から(1935年製作の映画)
4.2
終始ラグルズが気の毒だったが終盤良すぎる

まず仕えてた英国紳士にポーカーで賭けられてアメリカ北西部の田舎のおっちゃん家に引き取られることになった執事ラグルズ。呑兵衛のおっちゃんに連れ回されては「ラグルズが飲みたいっちゅうから…」と理由に使われてカスの妻にいびられる日々。妻が親戚ともども気位の高いいじわるしかいないので途中イライラさせられる展開もあった。

ところがおっちゃんや村の連中が好き勝手やってるのに慣れて少しずつ肩の力が抜けてきたラグルズは合間に読んでたアメリカの歴史の本でリンカンに感銘を受ける(この時期のハリウッドはリンカン好きすぎる)。おっちゃんは妻の意向でラグルズもらったけど主従関係でなく友だち付き合いをしていて、途中カス妻陣営の策略でラグルズは解雇されるのだが腹くくってレストランをやろうと決心する。ちょうど連れ戻しに来た英国紳士(自分勝手…!)も街の美人に一目惚れ、カスたちにはお灸を据えて(妻はお咎めなし。代わりに夫に「お前の言いなりにならんわい!」と宣言される)みんなから祝福される大団円。

当時よくあったアメリカってこんな自由なんだぜ!映画だが、普通にセカンドキャリア映画だし良心が眩しいしなんか超よかった。妻、夫のおばあちゃんがどちらもいいキャラしてた。ラグルズと仲良くなる他所の家のメイドさんがいいやつ。キャプラっぽい善性。