みかんぼうや

波止場のみかんぼうやのレビュー・感想・評価

波止場(1954年製作の映画)
3.4
アカデミー6冠の不朽の名作。とある波止場でのギャングの内紛的な話で、物語もシンプルですし面白かったです。安定のクラシカルムービー、という感じ。

今の時代に観ると設定や展開自体にはそれほどユニークさや特筆すべきものは無かったように思いつつも、人間の持つ同調圧力的意識がしっかり練り込まれていました。

よく日本に比べてアメリカは個人主義でそれほど他人からの見られ方は意識せず、自分のことを主張することが大事、と聞きます。が、これって結構ステレオタイプで必ずしもそうだとは思いません。特にアメリカの方とよく仕事をするようになって実感しています。

もちろん国の文化や慣習はあるけど、結局最後は一人ひとりの人の判断ですからね。アメリカ映画でも、同調圧力や社会的圧力で意見が流されるシーンはたくさんありますし、本作は70年ほど前の作品ですが、そういったシーンが多々あらわれます。そんなところを感じながら観るのも面白いです。

が、本作の一番の見どころは、主役である若かりし頃のマーロン・ブランド。とにかくカッコいい!マーロン・ブランド、というとやはり「ゴッドファーザー」が最初に頭に浮かびますが、この頃のマーロン・ブランドって、少しブラピ的な雰囲気がありますね。

ブラピが70代中後半になったら、どんな演技や役柄をこなすのかな、なんて思いながら観てしまいました。大スターの若かりし頃を観られるのもまた、古典名作を観る楽しみの一つですね。
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