囚人13号

ピラミッドの囚人13号のレビュー・感想・評価

ピラミッド(1955年製作の映画)
3.5
土偶みてーな顔色のジョーン・コリンズが悪女という歴史物であるが、主役は常にヘソ出してる彼女や大王ジャック・ホーキンスではなくやはり大ピラミッド。とはいえその全景はラストしか登場しないのだが、大いなる建設映画としてこの選択は肯定したい。

内部が段々と閉ざされていく名高いクライマックス以外にも、大王が死ぬ→設計者は処刑/女王爆誕/側近の思惑といった脚本面にもタイムリミット的なギミックが施されているのも良い。

エキストラひしめく高密度画面でスペクタクルを強調するも、暴君のため総動員で創るピラミッド≒凍結ドルで作る史劇大作という内幕の投影としか思えなくて面白い。
ピラミッドの岩を操ること=それを動かす力点(人間)を統率するという本質。

他にも無理に置換してみるなら、資本(制作資金)の権化ホーキンスは映画そのものであるコリンズに潰され、常に運命と共にあるニヒルな側近はホークスその人で。そして言わずもがな、本ピラミッドの設計者はトローネルである(ラストは責任免除を暗喩している)。
囚人13号

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