豚肉丸

ビースト 獣の日の豚肉丸のレビュー・感想・評価

ビースト 獣の日(1995年製作の映画)
4.7
神父が悪魔と接触してクリスマスイブの日に来る黙示録を封じるため、数々の悪事を犯しまくるお話

大傑作!
異様な力強さが満ちていて面白すぎる!
序盤のオープニングシークエンスから滅茶苦茶最高。巨大な十字架が倒れて神父が死ぬ!というショッキングで悪魔的な場面を見せてから数々の悪事を犯す主人公の姿に移るのが最高。「悪魔と接触する」と言う割に犯す悪事は小さいながらもしっかりと胸糞悪く、一般的には尊敬されるべき神父がこのような悪事を犯しまくる...という落差が素晴らしい。
シチュエーションコメディのような笑いをベースにサイコスリラーの雰囲気も混じった独特のテンションで映画は進んでいくが、終盤は最早どんなジャンルだったのかも表し難い、唯一無二であまりにも不思議で魅力的で力強い映像を見せつけられる。

「悪魔」という不確実な存在を追い求める為に次第に後戻りできない場所まで辿り着いてしまう主人公達。その危うさは物語自体も自覚的であり、不確実な存在を追い求める=オカルト的なものへの内省的な描写が良かった。ハチャメチャなブラックコメディではあるのだが、このテーマが持つ危うさに自覚的だったからこそ描けた物語という印象でかなり面白い。しかも物語自体も綺麗に纏められているしカタルシスもあるから凄い!!

テレビ越しに電話をする場面のショットが良い!会話の切り返しショットの繰り返しは単調になるから好きではないんだけどこの場面は別格。
豚肉丸

豚肉丸