KengoTerazono

狂った一頁のKengoTerazonoのレビュー・感想・評価

狂った一頁(1926年製作の映画)
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雨が印象的。雨のモンタージュが矢継ぎ早に連なるシークェンスは、すごかった。
冒頭のダンサーの妄想も面白い。染色フィルムが効いていた。不思議な色合いだった。目が慣れてしまうと、白黒フィルムと変わらないのだが、染色ありとなしを比べてみると、染色フィルムは影に立体感がつくなと感じた。キャメラがドリーアウトしていって、鉄格子が前景にでてくるのはスペクタクルを感じた。
牢屋で踊り狂う女性と、雨と太鼓やトランペットの演奏の二重焼き付けがフラッシュバックするシークェンスも素晴らしい。目まぐるしくショットが変化し、ショットの実態が掴めなくなる。サイレントのなかどのように音を表現するのか。足のステップが太鼓のドラムロールのイメージと重なり、劇伴はペットの視覚イメージとなる。
二重焼きが幻覚のようなイメージとなるのもおもしろかった。
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