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銀心中のotomのレビュー・感想・評価

銀心中(1956年製作の映画)
5.0
近代映画協会でなく、劇伴が林光じゃない新藤兼人作品。逢いたくて震えまくる乙羽信子の行動力が半端ない。静と動の演技の使い分けから、後の『触角』とも通ずるメンタル擬人化な一人二役と毎度の事ながらとんでもない役者魂で長門裕之も引くレベル。おまけに吹雪の中を歩かせ、雪に突っ伏させる等々、安定のスパルタ監督ぶり。で、斜めアングルや構成なんかも素晴らしい。全て戦争が悪いんだよって事で、重厚なる伊福部昭の音楽に乗せて描かれる悲劇。宇野重吉の優しさと嫉妬が入り混じったやつなんかがまた泣ける。そして切ないオチとOPED良いとこ取りな殿山泰司。傑作。
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