つかれぐま

インディ・ジョーンズ/最後の聖戦のつかれぐまのレビュー・感想・評価

4.0
24/4/25@イオン多摩❹
午前十時の映画祭

スピルバーグ初「父と息子」ものであり、西部劇、アラビアのロレンス、そして007という先達へ捧げるオマージュ。夕陽へ向かって走るラストシーンの地平線。

前作『レイダース』でやりたいことは全部やり切ったのだろう。新たな試みは脇に置いて、今作のスピルバーグは「二人の父親」への感謝に溢れているな~と、しみじみ。

一人目はインディの父・ヘンリー。
ショーン・コネリー演じるその姿に、自らの父親を投影したのだろうか。素晴らしいキャラクターを見せてくれる。ユーモアあふれる「かわいいお爺ちゃん」かと思えば、ナチスと対峙した時の毅然とした態度のカッコ良さ。『アンタッチャブル』と並んでショーン・コネリーのベストアクトだ。年齢差が僅か13才なのに、ちゃんと親子に見える二人のアンサンブル演技が見所。

二人目は「映画界の父」たち。
冒頭の少年時代はバスター・キートンへのオマージュ。中盤の欧州編は"007"シリーズへのそれ。今回のインディが少しプレイボーイになっているところは、ジェームズ・ボンドへ寄せたのか。「初代ボンド」との張合いが楽しい。 そして終盤は「西部劇の父」ジョン・フォードへの最大級のオマージュ。特にラストの夕陽へ向かって馬を走らせる雄姿の素晴らしさ。ここで注目すべきは・・そう「地平線の位置」だ。ああ『フェイブルマンズ』で観たあの教えがここで活きていたのかと再確認できた。

『レイダース』から続投するマーカスとサラーが、インディパパと一緒にボケまくってインディを困らせる。そんなコメディ要素が(前作にはなかった)映画のゆとりになっていて楽しかった。