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七つの弾丸のcatmanのレビュー・感想・評価

七つの弾丸(1959年製作の映画)
5.0
1959年公開。村山新治が『警視庁物語』シリーズを4本やった後に監督した作品で、脚本は橋本忍。二人が組んだ唯一の作品らしいけど、これはクライムサスペンスの傑作だと思う。複数のドラマが最終的にひとつの結末へと収束する巧みな構成の脚本と、その幾つもの印象的な要素を僅か90分足らずに詰め込み物語全体をドライブさせる無駄のないソリッドな演出が見事。ロケを活かした撮影も素晴らしい。クライマックスへ向かって怒涛の展開を見せる終盤は思わず息を呑む。こういう映画ホント大好き。『警視庁物語』とは逆に視点が常に犯人側にあるのも良くって、三國連太郎は割と苦手なんだけど、この屈折したサイコ風味の犯人の役に見事にハマっている。彼も声に深みがあって良いんだよな。事件が解決してからのラスト数分の展開が強烈。後味は良くないが、それよりも良い映画を観たという満足度の方が勝る。89分。
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