ゆめちん

ゴーストワールドのゆめちんのレビュー・感想・評価

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
4.0
ゴーストワールド
 
2001年の公開時は未鑑賞で今回が初鑑賞。まずはリバイバル上映に感謝。スカーレット・ヨハンソン目当てだったが、主役は彼女ではなく、イーニドを演じたソーラ・バーチが務める。

幼馴染で親友のイーニドとレベッカは⾼校を卒業したものの、進路も決めず、当てもなく町をぶらついては⾯⽩いことを探して過ごしていた。そんなある⽇、⼆⼈はモテないレコードマニアで中年男のシーモアと出会う。

自分でも何がしたいのか分からず、大人の世界にうまく馴染めないイーニド。その迷いや行動を過剰な演出をせずに丁寧に描きながら、子どもから大人への移行期の "複雑な想い" を上手く表現していく。

卒業パーティであんなに仲がよかったイーニドとレベッカ。徐々にその距離感が変化していく様が必然とは言えあまりにもリアル。 20年前の作品なのに現代にも通じる社会風刺が興味深く、今の若い世代の方が鑑賞しても、多くの人が主人公に共感できるのではないかと思う。

最後のバスシーンは色々な解釈がありそうだけど、イーニドには自分が納得のいくバス停で降りて欲しいと願う。そしていつの日か、レベッカと10代の頃を振り返り、笑える日々が来てほしい。

それにしても、スティーブ・ブシェミに "冴えないおじさん" をやらせたら、やはり右に出るものはいない。
ゆめちん

ゆめちん