酔っ払ったら強くなる。そんな羨ましいことあるかと思っていたが、やはりその道は険しいようだ…。
ふざけてばかりのお調子者だが、弱いものいじめは許さない正義感の強い青年フォン。だから情けないけどなんだか憎めない。そういう役どころがピッタリはまるのもジャッキー・チェンだからかもしれない。
アクション映画ではあるが、コメディ要素が強い。
ズームイン、ズームアウトの多用が見られる。人物が発言をするときやアクションを起こす際に、ひとりにフォーカスしてから全体を映すもしくは逆といったカメラワークがなされる。それがアクションシーンへのメリハリを生む演出となっている。
コメディの側面については、登場人物たちのキャラ感が強い。師匠が仙人みたいな見た目だったり、敵役の頭が石頭で頭突きが武器だったり、棒を振り回す歯の強いやつが出てきたり。漫画のキャラクターのような個性の強いキャラクターが、浮世離れしたコメディ感を強めているようだ。
その場にあるものを利用するくらいで基本的には身一つで闘う。
効果音がリズミカルに響き、彼の動きのキレの良さを強調する。
ずっとロングショットだったのが急にフォン目線になり、フォンの瞳の中で動きが見えるショットへ切り替わる。敵の動きを捉え、隙を見逃さない。
心身ともに鍛えられていくフォンと、個性豊かなキャラクターたちの闘いシーンなど、明るく気軽に観られる娯楽映画だった。