Ricola

男はつらいよ 柴又より愛をこめてのRicolaのレビュー・感想・評価

3.5
今回はタコ社長の娘のあけみとの交流が物語の中心になっている。

「寅さんに会いたいなぁ」と、あけみは空を見上げてつぶやく。
優しくて親切だけれど変に深入りはしてこない、そんな寅さんはやっぱり心地よい存在なのだ。


でも相変わらず美人に弱いせいで、あけみを怒らせてしまう。といっても、あけみがつなげてしまった縁といえばそうなのだから仕方ないのかもしれない。家出したあけみについていって小さな島にたどり着く。
そこで寅さんは美人の先生真知子に出会ってしまうのだ。まるで『二十四の瞳』のおなご先生みたいな真知子先生は、卒業生たちの同窓会で自転車をプレゼントされる。なぜかそんな内輪の会に寅さんも参加しているほど、先生だけでなく生徒たちとかなり馴染んでいる。

少年みたいかと思ったらお兄さんみたいに頼もしいときもある。真知子先生の寅さん評は最大の賛辞と言ってもいい気がする。たしかにそういう点で寅さんは年齢不詳である。

相変わらず好きになった人にはより一層心からの優しさを注ぎ、自分のことは二の次な寅さんが1番かっこいい。
あけみとの叔父と姪のような絶妙な関係性も見どころの作品だった。
Ricola

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