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コールド マウンテンのEyesworthのレビュー・感想・評価

コールド マウンテン(2003年製作の映画)
4.6
【あなたはきっと帰る】

アンソニー・ミンゲラ監督の戦争映画。ジュード・ロウ×ニコール・キッドマンのカップリング。その他レネー・ゼルウィガー、ドナルド・サザーランド、ナタリーポートマン、フィリップ・シーモア・ホフマン、チョイ役でキリアン・マーフィと豪華な面々が揃う。

〈あらすじ〉
南北戦争末期の1864年。ヴァージニア州の戦場で戦っていた南軍の兵士インマンは、瀕死の重傷を負い、病院へ収容された。従軍して3年になるインマンにとって、故郷コールドマウンテンと、彼の帰りを待ち続ける恋人エイダだけが心の支えだった。そして、病院でエイダからの手紙を受け取ったインマンは、ついに死罪を覚悟で脱走を図り故郷へ向かって歩み出す。一方その頃、エイダは愛する父の急死という悲劇に見舞われる。一人では何も出来ない彼女は途方に暮れるばかりだったが、流れ者の女ルビーに助けられ、2人は次第に友情を育んでいった...。

〈所感〉
ニコール・キッドマン目当てで鑑賞。ニコール・キッドマンじゃなかったら間違いなく見ないタイプの映画だが、キッドマンは勿論若かりしジュード・ロウ演じたインマンの男としての色気がヤバかった。そりゃ誰でも一目惚れするわ。レネー・ゼルウィガー初めてちゃんと見たが、ルビーの田舎訛りっぽい言葉遣いによって、野卑だが心温かい人間という印象だった。エイダは彼女の存在に心から救われたのだろう。南北戦争というアメリカ国民同士の無益に思える争いは改めて酷い内実であることをこの映画で学んだ。兵士は戦争に出向くと殆どが帰ってこない。町には女子供しか残らない。一人の脱走兵を捕まえるために何人もの兵を使って百里を追いかける。自国民同士で摩耗して、得られる勝利に対してリターンが無さすぎるだろう戦争ではないか。それでも彼らは必死でもう二度と出会えないかもしれないからこそ一瞬一瞬の生が輝いていたのだろう。戦争物の王道ラブストーリーでただただ良い作品。キャスト頼み感は強いが、良い作品は国境を越える。
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