ブタブタ

高校生無頼控のブタブタのレビュー・感想・評価

高校生無頼控(1972年製作の映画)
3.5
くらいマ~ックス!男!
くらいマ~ックス!女!
原作は小池一夫先生。
この時代、相当常識や倫理的に今ならダメな事がまかり通ってる。
そして60年安保闘争の残滓、極左ゲリラや連合赤軍によるテロがまだ身近だったという空気感も多分にある。
主人公・村木正人、通称ムラマサ(沖雅也)は心労から母を死に追いやった過激派リーダーである獄中の兄・鉄人(岸田森!)を自らの手で叩っ切る為に旅立つ。(原作はこの辺可也違う)
この小池一夫先生による劇画『高校生無頼控』は何か『男はつらいよ』=「寅さん」の逆バージョンというか、全国を旅する主人公であり寅さんが中年の三枚目なのに対してムラマサは高校生の美青年、寅さんが毎回マドンナに恋してフラれるのとは対照的にムラマサはあっちこっちで女性とヤリまくり。
兄貴をぶっ殺すって目的はある物の、其れは後ろに追いやられ兎に角、女と見れば声を掛け引っ掛けて一時のアヴァンチュールを楽しんだ後は後腐れなく去っていくムラマサ。
これを嫌味なく見るものを納得させるキャラクターとして成立させているのは長身の美青年でクールかつ理知的な雰囲気を漂わす沖雅也という稀有なる俳優だからこそだと思う。
『戦場のメリークリスマス』のヨノイ大尉は本当は沖雅也が演じるはずだった。
沖雅也とデヴィッド・ボウイが並び立つ姿、そして二人のラブシーンは映画史に残る美しさ妖しさだったと思う。
若くして自らの命を絶ってしまったのは残念。
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