トールキン

アメリカン・ビューティーのトールキンのレビュー・感想・評価

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)
3.8
十数年ぶりに鑑賞。アカデミー賞作品賞受賞(その他4部門受賞)も納得の社会派ドラマでした。どんよりと重たい余韻がのしかかるようなそんな気持ちになりました。

誰もが他人には言いにくいような劣等感などを抱いている。それをごまかすために虚栄や見栄を張って生きている。それが決して悪いことではないけれど自分が知らないだけで実はみんなそんな風に毎日を生きているのではないかと思う。
結婚して家庭を築いて、働いて収支のやりくりをして家庭内の問題を抱えて、などなど人それぞれ様々なことを内に秘めて生きている。
これジャンルでは一応コメディとなってるけど現実的に考えると全然笑えないし、ひょっとしたら、いやひょっとしなくても嫌でも共感せざるを得ないという人少なからずいる気がするし人生なんて所詮こんなもん、とでも思わせるようなそんな皮肉たっぷりのブラックユーモアな描写に惹きつけられる。誰かしらこのような人生を送っているのでは、と思ってしまう。

ケヴィン・スペイシーのダメダメっぷりで情けない父親像が作品の役柄としてめちゃくちゃ合っていたし、開き直ってイキイキした姿が逆に良い味出ていた。
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