知人に是非にと薦められ、先日見た「モンゴル」がなかなか面白かったことも手伝って、見ることにしました。
地味な映画ですが、直裁で無駄のないカメラワークと厳しい生活の中でそれでも念いを貫いて行くヒロイン一家の力強い生き方が伝わってきます。
少数民族の生活が描かれているのでうっかり社会派映画として見てしまったら足をすくわれる、甘っちょろい感情移入や批評の入る余地を許さない骨太の人間ドラマ。
トゥヤーの流す涙も、男達の争いも、全て彼らが勝ち得た生活の一コマに過ぎないのです。
(直裁で力強い傑作映画 2008/5/21記)
上手くカバーしてはありますが、実は絶世の美女であるヒロインの立ち居振る舞いが魅力的。
コロコロとして見える遊牧民の服装の長靴姿も遠景で映っていると可愛らしい。
ベルリン映画祭の大賞受賞作は近年割とはずれがないのですが、この映画は堂々たる傑作です。