ハレルヤ

昨日・今日・明日のハレルヤのレビュー・感想・評価

昨日・今日・明日(1963年製作の映画)
3.8
妊婦は逮捕されない特権を利用して妊娠と出産を繰り返し、闇タバコの販売をするアデリーナ。富豪婦人だが孤独な日々を過ごしていて、パーティーで知り合った作家と浮気しようとするアンナ。年離れた神学校の男子生徒に一目惚れされて、ドタバタ騒ぎになる高級コールガールのマーラ。3つのエピソードに分かれて展開される恋愛コメディ映画。

イタリアを代表する俳優のマルチェロ・マストロヤンニと名女優のソフィア・ローレン共演。名作「ひまわり」でも共演していて名演を見せてくれた両者が本作では3パターンの男女を見事に演じ分けています。

それぞれ立場が全く異なる役柄なのに、違和感なく演じれる2人の実力の凄さを見せてもらえた気がしましたね。本作の大きなポイントでしょう。

まず最初のアデリーナからもう面白い。夫が失業中という事もあり、密かに闇タバコを売るという違法行為で生計を立てているアデリーナ。しかし妊婦だと逮捕されないという法の抜け道を利用し、毎年のように出産と妊娠で警察の手から逃れ続ける。それでもやっぱり限界はある。無理矢理すぎるものの、それを真面目にあの手この手で何とかしようとする夫婦が面白いですし、ラストシーンは不思議と感動する場面でした。

時間は短いけど2章目のアンナも印象的。上級国民的な生活に飽き飽きし、作家と浮気をするアンナですが、やはり上から目線な性格は隠しきれない。金持ち女の嫌な面を存分に感じさせてくれる仕上がり。

ラストの高級コールガールのマーラは偶然出会った青年に本気で好意を抱かれて、何とか離れようと四苦八苦する話。客でやってきたルスコーニも巻き込まれて、あれこれドタバタする内容ですが、これもなかなか面白かったですね。

この3つに分かれているというのも見やすいですし、そんな大笑いするわけではないものの、気楽に楽しんで見れる雰囲気の作品。お勧めです。
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