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日本のいちばん長い日のkazu1961のレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)
4.3
「日本のいちばん長い日」
1967/8/3公開 日本作品 2018-193

原田眞人監督による2015年版は鑑賞しましたが、こちらは初見。
岡本監督の演出か、緊迫感とリズム感そして、臨場感やエネルギーは勝っているかもしれません。そして撮影時の時代背景、1967年の空気感と2015年の空気感の違いが、反省と苦渋にまみれたヨレヨレの日本人と、自信を取り戻し優秀さを自覚し始めた日本人とが差が浮き彫りになってるのかもしれません。
1967年版の青年将校たちはエネルギーに満ちています。阿南陸相も徹底抗戦を主張する軍国主義者として描かれます。阿南陸相を演じる三船敏郎さんの存在感はさすがですね。
そして、どんなに軍国主義を力強く描いても、ラストにおける平和な民主的社会への希望と期待はさらに力強く、軍国主義の印象を払拭してくれます。そこが本作の素晴らしい所かと思います。
そして、これが史実であるということもまた日本人として重みを感じる所以ですね。
エピソードとして、エンディングの配役クレジットタイトルは、昭和天皇役の八代目松本幸四郎以外は登場順で表示されています。昭和天皇については、重要な登場人物であるにもかかわらず、存命で在位中の時代ということもあってり、クレジットには記載されていないんですね。
我々の今の平和があるのは先人のこういった石づえがあってからこそなんですね。日本人が観るべき素晴らしい作品だと思います。

半藤一利による日本のノンフィクション書籍の映画化。昭和天皇や鈴木貫太郎内閣の閣僚たちが御前会議において日本の降伏を決定した1945年(昭和20年)8月14日の正午から宮城事件、そして国民に対してラジオ(日本放送協会)の玉音放送を通じてポツダム宣言の受諾を知らせる8月15日正午までの24時間を描いている。これまで劇場用映画が2つ製作公開された。岡本喜八監督による本作、1967年版(製作・配給東宝)と原田眞人監督による2015年版(製作・配給松竹)がある。出演は三船敏郎 山村聡 笠智衆 宮口精二 志村喬 高橋悦史 黒沢年男 加藤武 土屋嘉男 田崎潤 平田昭彦 中村伸郎 天本英世 浜村純 小林桂樹 加山雄三 新珠三千代など超豪華キャスト。
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