ゾロ

日本のいちばん長い日のゾロのレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)
3.5
1945年8月15日 終戦

国内に終戦(降伏)を伝える天皇陛下の
ラジオ放送は正午の12時

降伏した戦争の終わらせ方と混乱を
ポツダム宣言受託のラジオ放送までの
24時間に焦点をあてた物語

ポツダム宣言、単語に聞き覚えはあるが
終戦の経緯は、知らなかったので興味深く鑑賞

先ず、降伏勧告となるポツダム宣言を
アメリカ、中華民国、イギリスでの
首脳会談で決めていた事に驚いた
(チャーチル、トルーマン、スターリンの
 会談写真が記憶にあった為…
 スターリンは、事後報告で署名)

そして、戦争の終わらせ方の難しさを痛感

日清、日露と違い敗戦を知らない大日本帝国

官僚会議では降伏か?交戦か?決められない
御前会議に委ねて、決断に全員が納得

幕末の『錦の御旗』のように
権力と権威が別にある日本って他の国と
比べると面白い歴史だよなーと思いつつ…

全ての事態が収束する訳も納得する訳も無く
信念、決意、誓いは簡単には変えられない

天皇陛下は、賊軍に唆されているだけだ!
此方の意思を見せれば意見は変わる!


また、国の行く末を決定している人達の中には
ソ連の北海道への侵略を危惧していたり
被害、食糧状況、兵たちの士気や無念
未来への展望がちゃんと見えてる人もいる

戦争について後から、見聞きすると
愚かな人たちの決断…と誰かのせいにして
憤りを収めたくなるが、建設的では無いし
批判をしても、現実は変わらない
二度と起きないように、原因を考察すべき


決して、批判では無く気になったのが
陸軍のクーデターが起こりそうな雰囲気の中
会議では、
 部下は、説き伏せます
部下の来訪時には、
 現状は把握出来ている…直に沈静する

えっ?部下の鎮静に乗り出さず自己満足?と
思ってしまった

部下のせいにする上司も
現状把握出来ていても、静観する上司も
どっちもダメじゃね?

降伏、敗戦という受け入れ難い事実は
彼を構成していた大事な何かを
破壊してしまったのだろう

やはり、戦時下での決断、思考経路は
想像を絶するし、後から批判するモノでは無い



日本の未来を本気で考え、憂いた人を描いた
日本でいちばん【熱い】日 でした
ゾロ

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