Melko

学校の怪談3のMelkoのレビュー・感想・評価

学校の怪談3(1997年製作の映画)
3.8
ああノスタルジー。ジュブナイル。瑞々しい。

「がんばれ!ダイナマイトファイヤー!」
「あかねちゃんのことは、僕が守る!死んでも!」
「契約書はどうすんだよ?」「…破棄します、兄さん」
「早く行かないと、泣いちゃうよっ」

前作よりも、子どもたち一人一人の個性とキャラ設定がより明確になり、わかりやすく見やすくなった本作。
光り輝く鏡に吸い込まれる前田亜季の記憶しかなく、ん?こんな感じだったっけ?った内容だけど、若干グダグダするぐらいで、全体的には見やすい。
登場する子どもたちも、
成績不良のやんちゃ坊主、乙女まっしぐら、食いしん坊、シニカルおしゃれ、不思議ちゃん、ガリ勉
とキャラがブレてる子がいないおかげでスッと話に入ることができた。
西田尚美演じる教師の役回りが若干フワフワしてたのが残念なところではあった。

何気に、今作はお化けが脅かすだけではなくてガッツリ殺しにきてたのもポイント。
ザリッザリに研いだでっかい包丁振りかざして襲ってくるのっぺらぼう…ゾンビより恐竜の骨よりシャカシャカより、怖い。
特殊メイクと特撮の技術は向上途中という感じ。
たいちとの友情は終盤に詰め込んだ感じで、感動するには少しインパクトが足りないかも。最期の自己犠牲と空から降る赤いタスキはちょっと胸熱だけど。

キャラとしてのMVPは、ガリ勉のさとる。
演技が他の子と一線を画してた気がする。
特に、迫ってくる壁に挟まれそうになる時の叫びはトラウマになりそうなところをよく頑張った!と言う感じ
「賞と名のつくものはノーベル賞からかけっこまで譲りません!」と息巻く姿は笑える。笑

コンビとしてのMVPはあかね&まことコンビ。
やり取りが妙に大人びた2人、追いかけられ水攻めに合い、散々だが見せ場がたくさん。
まことのフルチン、指の間から見たい気持ち笑、
「あたしマザコンって嫌いなのよね」
「僕だって好きでマザコンやってるんじゃないんだ」って核心ついた会話や、
「あかねちゃんのお婿さんになる!」「わたしに初めて告白してくれた男の子だもんね…」
等、なんか大人の会話のようななんとも言えない感じで、段々おしどり夫婦のようにみえてくる不思議。

言わずもがな、りょう&まゆこのコンビも初々しくて良かったけど。
自分の写真を別れの場面で託すのって、純だけどすごい勇気の要ることだよね。まっすぐな瞳も含め、こんな気持ちを忘れたくないもんだな…
Melko

Melko