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青春がいっぱいのwiiのレビュー・感想・評価

青春がいっぱい(1966年製作の映画)
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メアリーとレイチェルだけではなく、シスター同士もその友情を描くときの会話シーンでは常にふたりが横並びになる。

一方、メアリーが修道院長を寮の窓から見下ろすシーン。かのカトリック小説で有名な遠藤周作大先生は「マリア様の見下ろす視線は慈愛と抱擁だ(意訳)」と何冊もの物語で説いている。実際、人びとはマリア様の前で祈りを捧げる時には跪く。それをなぞるように、メアリーには聖職者になりうるポテンシャルが秘められていることを暗示するかのような、上下のカメラワーク。ただの高校生活ではなく、修道院の寄宿生だということが大いに人物の心情に影響を及ぼすことを考えると、このキリスト教的な切り取りかたまでも考え抜かれていて、うっとり。

そしてそして最後、かのシスターたちが横並びになっていたのと同じようにメアリーと修道院長が肩を並べて列車を見送る。メアリーとレイチェルのライフステージが変化する。レイチェルは外の世界へ、そしてメアリーが次に関係性を育むのは修道院の仲間たちなんだ、という未来を予測させるエンディング。最高か!
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