Lynne

ソナチネのLynneのレビュー・感想・評価

ソナチネ(1993年製作の映画)
4.0
北野武監督作品を初めて観たのだけど、カンヌとかヴェネツィアで評価されるの納得の映画だった。本当に全てが上手い。
ショットが毎度素晴らしい構図だし、太陽と陰/生と死のコントラスト、場面の切り方、クセになる緩急、全体を覆う「死への誘惑」…。アドリブぽい演技もめちゃめちゃ良い。リンチ然り王家衛然り、ちゃんとした脚本がなく監督のセンスでその場で決めていくような映画が好みなのかもしれない。音楽もいいなと思ってたら久石譲なんですね。こんなの文句のつけようがないじゃん。

相撲のシーンと仲良し2人組が愛しすぎる。
ヤクザ映画なのにわかりやすいバイオレンスさは無く、銃を撃ち合うシーンも淡々としていて、公開当時は日本で全く評価されずヨーロッパで評価が高かったというのも分かる気がする。フランス映画的な映像センスにビートたけしの笑いのセンスが加わると、正直最強だと思う。

是枝監督のようなエモーショナルに訴えかける映画ではなくて、圧倒的に芸術的。「北野武って、ヤクザ映画でしょ?」って正直食わず嫌いしてました。いやー、北野作品もっと観よう。
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