ぶたぶー

仄暗い水の底からのぶたぶーのレビュー・感想・評価

仄暗い水の底から(2001年製作の映画)
3.5
仄暗い水の底から

やっぱり住んでいる国の出来事であるということがホラーにおいての恐怖値を爆上げしている。
静かな怖さだからこそ日常に落とし込む想像ができてめちゃ怖である。

エレベーターで握った手が娘のものではなかったシーンで「ヒョー!!」と声が出た。
内見って注意深く隅々まで見ないといけないんだなあ。
引っ越し大失敗ストーリーじゃん。
大人にイライラする。父親も管理人も不動産屋も幼稚園も母親自身も。ただ、主人公の立場の弱さ的に強く出れないのも分かる。連続して引越するお金もないし、仕事見つからないと生きていけないし。
嫌な小日向文世あんまり見たことないので不思議な感じだった。
弁護士の人がけっこうちゃんとお悩み相談乗ってくれて良い。ちゃんとしてくれないと裁判勝てないからだろうけど。
やっぱなんとなく貯水槽(浄化水槽?)が怪しい。

と思ったら当たってた。
さすがに貯水槽ボコボコはすごい。ゴースト:パワータイプ

可哀想な霊かと思ったけど、もう単純に害を成すものとなってしまっていてどうしようもない。
2年間閉じ込められて誰にも気づいてもらえなかったのはかわいそう。もうすぐ2年ぶりに清掃が入って見つけてもらえるはずだったのかな。

郁子ちゃんを守るために傷つける(他の子供にママだと伝えて抱きしめた)のがもう悲しくて悲しくて…
離婚の背景は分からないけれど、こんなに頑張って自分と子供のために生きようとしている人になんで仕打ちだよ!と思った。物件が悪すぎる。

10年後、お母さんが何の音も立てないことで色々察する。
郁子がかわいそうすぎる。今まで大変な人生だっただろうな。
でも最後、母が郁子を守り続けている事を郁子が知る事ができたのは救いでよかった。
早く2人とも見つかって弔われてほしい。みつこちゃんの父親も気の毒だ。

登場人物が明確に言葉で説明するんじゃなくて、断片的に映像で見せてみつこちゃんの事故や環境を描写して観客に伝えてくるので、『自分が目撃した』感があってよかった。