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夜の素顔のhummingbirdのレビュー・感想・評価

夜の素顔(1958年製作の映画)
4.3
かなり素晴らしい作品だと思う。

セットは豪華で大きく、それを生かして奥行きや左右を使った映像。普通ならカットが変わるところを長回しでつなげて見せる場面など、とても好み。衣装色遣いもきれいで見ごたえあり。

京マチさんは、上っ面で話してる時、本気の時、同じ地元の人と話して方言が出る時など、演技が少しずつ違っているのが伝わってきて、素晴らしい。

途中、彼女が演じる主人公が何を考えてるか分からなくなったけど、最後の告白で納得した。

彼女を取り巻く人々も出番が少ない割に、冷酷さや忠実さが伝わってくる。語られる行動の動機も説得力あり。

こういう野心的な女性を描く作品はよくあるけど、ただの悪女としてないのは、さすがに新藤兼人だと思う。

「若尾文子映画祭アンコール」
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