イチロヲ

スヌーピーとチャーリーのイチロヲのレビュー・感想・評価

スヌーピーとチャーリー(1969年製作の映画)
4.0
スペリング・コンテスト全国大会への出場を決めたチャーリー・ブラウンが、仲間の助力を得ながらプレッシャーに立ち向かっていく。チャールズ・M・シュルツ著「ピーナッツ」の劇場用長編映画第1弾。

被害妄想と誇大妄想に苛まれ、自律神経失調症の作用により常時めまいを引き起こしている少年チャーリーが、スペリングの才能をアピールする。格上げされればされるほど、より強い恐怖症に苛まれるという、原作者自身の投影を推量することができる。

本作はヒッピー・ムーブメントの時分に製作されたこともあり、随所にサイケデリック・アートが盛り込まれている。とりわけ、前衛的なアニメーション演出に合わせて、スヌーピーが口琴を演奏する場面がツボに入る(筆者自身も口琴の演奏を趣味にしている)。

1965年から開始しているテレビ特番シリーズとほとんど変わらず、劇場版のスペシャル感が希薄だが、「問題を解決できずに終わる物語」を劇場用作品で実践する、というチャレンジ精神を買うことができる。
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