キモサベ

カルメン純情すのキモサベのレビュー・感想・評価

カルメン純情す(1952年製作の映画)
3.1
冒頭から失礼します 「“失敗”しました」
というのも、本作は1951年製作の「カルメン故郷に帰る」の続編だそうです
で、こちらを松竹ホームページで調べると自社の『100年の100選』に選ばれていて、日本初の“総天然色映画” (いわゆるカラー作品)だそうです
ですから、鑑賞順序からいっても、作品的価値からいっても“絶対に”「…故郷に帰る」が“先です”
・・・以上、まだ観ていない方へのアドバイスでした

前置き長くなりました
感想です
ズバリ『不気味・・・です』
面食らいました
だっていきなり、“斜め”の画面ですから
斜めに映る国会議事堂なんて、不気味でさえあります・・・なんかゴジラ(54年)が出てきそうで・・・
違和感のあるカメラアングルにどんな効果を狙ったのでしょう、木下監督さんは? “不安”?・・・これは、後々自分で調べることにいたしましょう

かつて一緒に働いていた同僚ダンサーが、主人公リリィ・カルメン(高峰秀子=昭和の大スター)の元へ転がり込みます
・・・乳飲み子を抱えて
働こうにも働けず・・・ひどいもんです(笑)、赤ん坊を“捨てちゃう”お話なんですから 

脱線です
寅さんシリーズの人気ナンバーワン(?)マドンナといえば、浅丘ルリ子の“リリーさん”です
リリーの名は、きっとこの作品主人公に由来していたのでしょうね

登場人物たちもハチャメチャです
当のカルメンさんを筆頭に・・・
やたら原爆、原爆と口にする東山千栄子の演じるお手伝いさん
カルメンが恋する“前衛”芸術家と、その両親 この一家は財産目当ての結婚話に目下奮闘中
そのフィアンセは無類の男好き
そしてその母親は代議士を目指して運動中(髭が生えてます!)
・・・と、人物設定も忙しいこと

それと国語の先生でないので、わかりませんが、タイトルからして?の気がしました
純情“す”って、使い方します?

冒頭に前作がカラー作品と書きました
なのに続編はまた“白黒”に戻っちゃいました

とにかく謎の多い映画でした
キモサベ

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