Gatt

路上のソリストのGattのレビュー・感想・評価

路上のソリスト(2009年製作の映画)
3.8
なかなか独特の切り口の作品だった。
記者とホームレス。実話ながら一方的な美談になっていない。むしろロバート・ダウニー・Jrが演じることで、身勝手さがみえるのが面白い。それが彼の持ち味だと気づけました!

新聞記者としてキャリアを積んで来たロペス(ロバート・ダウニー・Jr)は、路上で奏でられていたヴァイオリンの音に惹かれる。ホームレスであるナサニエル(ジェイミー・フォックス)との出会いだった。彼がジュリアード音楽院の学生だった事を知ったロペスは、コラム執筆と共に、彼と関わっていく。

どこまで表現しきれているかわからないけれど、統合失調症の頭の声を表現してるシーンがある。観ているこちらも、心拍数が上がってしまうくらい。
僕には統合失調症の兄姉がいて、理解不能で散々の喧嘩も経て、寄り添う形へと変わって来た。障害ともお互い認めるのにも月日を要した。
良かれと思って望んでいないことを押し付ける形になってしまうのは、相手も受け入れるのにも時間がかかる。

94年のノースリッジ大地震(記憶の彼方w)も人生に絡んでいる。災害の傷痕を考えると、なかなか繊細なストーリーと思った。

2人の演技がとても良くて、なかなかの掘出し物映画と思った。
ただ演奏シーンが結構あるんだけど、音に合わせて弾いてるマネって感じが露骨にするほど、全然自然に弾いてる感じがしない。しっくり来ないので、なかなかの良いシーンの筈なのに、そこは物足りなかったかな。
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