無火

オーロラの彼方の無火のネタバレレビュー・内容・結末

オーロラの彼方(1924年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

本作はグレゴリー・ホブリット監督によるタイムパラドックスを題材にした映画である

1969年に太陽フレア(太陽面の爆発現象)の影響により気象異常でオーロラがニューヨークに発生していた
その当時消防員をしていた父フランク・サリバンは家族と幸せに暮らしていた
その後時は経ち1999年にまたオーロラが観測され始めていた
ひょんな事から息子であるジョン・サリバンは、父が昔使っていた古いアマチュア無線を発見し試しに通信を始めたところ「こちらCQ15」と無線が流れてきた…

内容としては、30年の時を越えた「声のタイムトラベル」である
冒頭からフランクの消防活動シーンから始めり見始めた人は消防士の映画?と見間違えるほど派手な演出である
80~90年代の映画はメインでは無いところにも派手な演出を入れてるというイメージがあるので凄いどこか懐かしさを感じたりする

主内容としては30年前の父と30年後の息子とでマアチュア無線通じて会話をし振りかかる危機を乗り越えると言う物である
この映画の面白いところは、父親が30年前に消防活動で命を落としてしまう所を息子が救う…それだけがメインの話では無いところだと思う
普通の作品は「家族愛」と「SF」でまとめしまうところこの作品には「サスペンス」要素がしっかりと盛り込まれてる所である

父を助けたら30年後には母が亡くなっていたりして、父を助けた影響で少しずつ色々な「歪み」が生まれ未来が少しずつ変化してしまうのである(バタフライ・エフェクトみたいに)
鍵を握る「サスペンス」要素であるが捜査の過程で過去と未来を繋いでいるからこその方法を使っていてそこは凄く工夫されていると思う
例えば過去で得た証拠を家の木べらの裏に隠してそれを30年後のチーフが探るとそこから証拠が出てくることや被害者の名前を未来から過去に伝えることで犯人から狙われないようにしたりすることで少しずつ犯人を追い詰めていく

1度目は何となく観て2回目であの時あの行為が未来に影響していたなんて思ったりするので2度観ても楽しめると思う

メッツの劇的優勝も映画ではたまに使われる小ネタではあるけれど今回はこれが最大のキーとなる(MIB3とかでも小ネタで出る)

親子愛とサスペンスが同時に楽しめる作品であるし、観たあとはなんとなく実家の押入れを開けて何かを探したくなる気持ちと自分の大切な人と今また何かで会話が出来ることが出来たらどれだけ素敵な事なんだろうと胸が熱くなる思いが込み上げる

最後にフランクのこのアメリカジョークを添えて「例えこの1000年後になろうとアメリカの子供たちは学校で3つの事を習う
それは憲法とロックンロールと野球さ」
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