仮面の大使

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちの仮面の大使のレビュー・感想・評価

3.7
 心を解放する映画。

 たびたび警察沙汰をおこすウィル・ハンティング(マット・デイモン)は実は数学の天才であり、MITの清掃バイトの時に掲示板の難問を解いたことで、ランボー教授(ステラン・スカルゲールド)に目を付けられる。傷害事件で拘置所にいたウィルに対し、教授と週二回研究室で勉強することと週一回セラピーを受けることを条件に身柄を預かることを提案し、ウィルの新しい生活が始まる。ただ彼はセラピーを本気で受けようとしなかった・・・。

 過去に傷を負い、自分をさらけ出すことができない主人公。過去に傷があるわけではないが、私も似たようなものなので、主人公に共感した。自分が傷つきたくないから、傷つく前に自分から彼女を捨てる選択をした主人公にも共感。人に自分をさらけ出すことほど怖いことってこの世にあるのかなって思うんです。もし理解されなかったらと思うと怖くて適当にごまかす。自分でキャラを作ってしまって、そこから抜け出せない。抜け出すには自分の意志が必要だと分かってるけど、やはり恐怖心が勝つ。結局、仲良くなっても深い仲までにはなれず、そこそこの関係で終わる。

 自分を曝け出す恐怖心を克服した主人公。それにはショーン(ロビン・ウィリアムズ)との出会いであったり、親友チャッキー(ベン・アフレック)の言葉が必要だった。主人公はいい人たちに恵まれていたんだな。縛られた心を解放した主人公の清々しい顔を見てると羨ましくもあり、未だに傷つくことを恐れる自分がみっともなくも思える。自分が自分の殻を破ったと思えたとき、また見たい。そのときは心の底からこの映画を楽しめると思う。

 個人的にはベン・アフレックが最高。最後に主人公の家に訪れたシーンは名シーン。
仮面の大使

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