イチロヲ

3人のエンジェルのイチロヲのレビュー・感想・評価

3人のエンジェル(1995年製作の映画)
3.5
コンテストの決勝大会出場を決めた3人組のドラァグ・クイーンが、中古のキャデラックに相乗りして開催地ハリウッドを目指す。ドラァグ・クイーンの珍騒動を描いている、ロードムービー。

3人組のうち、ジョン・レグイザモがオカマに成りきれていないオカマという立ち位置になっている。オカマ探し(自分探し)の真っ最中である彼が、先輩オカマからドラァグ・クイーンの在り方を諭されていく。

中盤からは、アメリカの片田舎で立ち往生した3人組が、「異端者」としてその土地に留まるという展開に入る。本物の女と勘違いした悪漢に狙われるシーンと、不意打ちで掛かるワンダーウーマンの曲が印象に残る。

本作の鑑賞で気づかされることは、「真のドラァグ・クイーンは人生に悲観しない」ということ。3人組は行く先々で抑圧された女性と出会うのだが、持ち前のポジティブ志向で、彼女たちを解放させていく。フェミニズム問題に着地させていく語り口が巧い。
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