一人旅

マニアックの一人旅のレビュー・感想・評価

マニアック(1980年製作の映画)
3.0
ウィリアム・ラスティグ監督作。

名悪役:ジョー・スピネルの原案をスピネル自ら脚色の上、主演し、ウィリアム・ラスティグが演出した猟奇ホラーで、2012年にはイライジャ・ウッド主演によるリメイク版も制作されました。

NYを舞台に、夜な夜な街角の女を捕まえては殺害し、頭皮を剥ぎ取る中年男の残忍な凶行の一部始終を描いた“猟奇ホラー”で、死んだ母親に異常な執着を示す変態巨漢オヤジの歪んだ欲望と殺人衝動が常人には理解不能な気色悪さを放っています。

『冷血』(1967)、『絞殺魔』(1968)、『アングスト/不安』(1983)、『ヘンリー』(1986)等に連なる冷徹な殺人鬼映画ですが、本作では特殊メイクの巨匠:トム・サヴィーニによる凄惨な殺害描写がスラッシャー映画としての色合いを濃くしていて、特に男が女性の頭皮をナイフで剥ぎ取る鮮血の光景がインパクト絶大となっています。

そして、脂ぎったサイコパス殺人鬼に扮したジョー・スピネルの独壇場の怪演が異彩を放っていて、現実が妄想に侵食される精神錯乱の鬼気迫る表情が脳裏に焼き付きます。
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