Kamiyo

避暑地の出来事のKamiyoのレビュー・感想・評価

避暑地の出来事(1959年製作の映画)
3.5
1959年 "避暑地の出来事"
デルマー・デイヴィス監督.脚本の恋愛映画。

風景描写が素晴らしく、マックス・スタイナーの美しい主題歌“夏の日の恋”は聞けば誰もが知っている永遠の映画音楽です。子供の頃に特に親しんだ曲で、パーシー・フェイス・オーケストラの演奏とともに自分にとってのエヴァーグリーン的な名曲。映画を観た

先日見た「恋愛専科よりは期待外れ
内容は古い青春ドラマだなと思ったくらいで。印象がない
若いモリー(サンドラ・ディー)とジョニー(トロイ・ドナヒュー)の恋物語かと思っていたら(もちろんそれも描かれますが)それ以上に印象的なのが、昔心を寄せあったモリーの父親(リチャード・イーガン)とジョニーの母親(ドロシー・マクガイア)の不倫→離婚→再婚!あぶれたジョニーの父親(アーサー・ケネディ)とモリーの母親は、西部劇の悪役のようなアクの強いキャラ。
物語も骨太で、ダメ親父(アーサー・ケネディ)はダメ親父なりの教訓を語ります。

甘いラブストーリーなのだろうと思っていたら意外とエグい内容でちょっと驚く。親同士の不倫にそれぞれの娘と息子の純愛を併置するという当時としてはかなり刺激的な状況設定である
今なら一目ぼれした若いカップルはすぐに体を求め合うのだろうけれど、この頃(50年代)は実に奥ゆかしい。
また親の世代のしつけも実に厳しい。
なかでもマリー(サンドラ・ディー)の母親ヘレン役、コンスタンス・フォードの冷酷なほどの厳格さが際立っていた。彼女が憎まれ役として屹立しているおかげで夫ケン(イーガン)も娘マリーもともに離れていくのも無理からぬものと受け止められる。逆に言えば彼女にはそういう役割りが持たされているわけだ。
恋人ジョニー(ドナヒュー)と一夜を過ごしたマリーを疑い、医師まで呼んで診察させようとするヘレン。ストレートに言葉にしていないけど、処女が守られているかどうかを確認しようとしたのだろう。この時代なら子供の人格を無視するようなこんな暴挙もあったのかもしれない。
エグいと感じたのはこの母親の存在のせいだ。

サンドラ・ディーはベビーフェイス。
トロイ・ドナヒューは
僕がテレビ見始めた昭和35年からのTBSテレビの22時からの『サンセット77』『サーフサイド6』『ハワイアン・アイ』私立探偵物の人気スターでした。。
結構面白かった番組.。。 そして”かっこよかったです”

ふたりとも「恋愛専科」のカップルより、ガキっぽい雰囲気。ロケ効果は、「恋愛専科」と同じく、かなりいい感じでした。

この映画を見る最大の眼目は、パーシーフェイス・オーケストラで大ヒットしたテーマ曲「夏の日の恋」が、「どのように使われていたか?」だったのだが、目立たないというか聴き応えの無い使い方で残念。
先日見た「恋愛専科」のアルディラには陶酔出来たので、こちらは肩透かしでした。
映画そのものが忘れ去られることはあっても、このマックス・スターナー作曲の主題曲「夏の日の恋」は永遠に残るであろう名曲です。
Kamiyo

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