ウサミ

ウォーターワールドのウサミのレビュー・感想・評価

ウォーターワールド(1995年製作の映画)
4.0
映画観れておらず2024年の目標は「映画をたくさん見ること」になりそうです。

やや凋落がはじまり気味のコスナーのアクション大作で、どちらかというと「ユニバで飛行機が落ちてきて水かけられるアレ」として覚えている人の方が多そうな本作。
文明が海の底に沈み、浮島のようなものと漂う船だけがある世界で、今や消え去った「大地(ドライランド)」を探す者たちの物語です。

かつての文明の名残である漂流物がとても高価だったり、石油を独占しエンジンを駆使する「スモーカーズ」の存在だったり、きめ細やかな設定がケレン味のある良いSF感を生み出す出来となっています。

極端に物資が枯渇した世界による略奪と弱肉強食の構図、そして水上で暴れ回る悪役の姿は、水版「マッドマックス」のような質感。
小道具や衣装、舞台に至るまで、かなり作り込まれており、チープさを全く感じさせません。荘厳かつ美しいカットの多さも、本作の魅力。
派手でパターンの多いアクションも、次々と登場するマシンデザインも、かなりお腹いっぱいになれる素晴らしい出来です。

弱点があるなら、ドラマの弱さでしょうか。序盤は良いが、中盤の中弛みがひどく、キャラとキャラの絆の説得力もやや弱め。ラストシーンの盛り上がりは見事だが、興味が持続しませんでした。
キャラの性格が掴みづらく、機微が丁寧に描かれていない印象。つまらないキャラでは決してないが、没入感のある魅力を持ったキャラクターは居なかったのが難点かと。

決してつまらなくはないし、全体的に作り込みを感じ、素晴らしいと思いました。
今の技術でリメイクして、キャラ描写を見直したものを観てみたい。
ウサミ

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