Ryu

2/デュオのRyuのレビュー・感想・評価

2/デュオ(1997年製作の映画)
4.0
ジャパニーズカサヴェテス、という印象が強い。ドキュメンタリーパートはややなんとも言えないが基本の映像の構図自体は良い。
お互いがお互いかましあいになってるんじゃないのか?と思えてしまう瞬間があるのがやや冷めるし、オーバーだなと感じるが、見応えはある。
やられる側の感情の流れの必然性は演技を通してもすごく腑に落ちる。しかしながらDVやる側のクズ男のどこにいるのか分からない、売れない役者志望の方の流れは仕事がうまくいかないからということしか描かれていなくて、もちろん深夜から日中にかけて部屋からいなくなるということが余白になってるからこそ分からないのだろうけど、ちょっとそれにしてもオーバーかなと思ってしまった。それでも嫌いになれないのは、この方法論の可能性と、いくつかの忘れられそうもないやり取り、カットの新鮮さにやられたからだ。

カサヴェテスは好きだけど、もしかすると自分の母語が英語だったらこのくらいオーバーに見えてたのかも、とも思った。
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