昔のフランク・キャプラ喜劇が復活したような、
心温まるヒューマン・コメディ。
気象予報官のフィル(ビル・マーレイ)は、
毎年ペンシルバニアの冬2月2日にに行われているお祭りを取材に来る。
彼にとってこの仕事はマンネリで面白くなく、
プロデューサーの女性リタやカメラマンのラリーにも皮肉っぽくあたる。
取材を終えて帰ろうとすると、吹雪のため道路が寸断してしまい、
フィルたちはもう一泊しなくてはならなくなる。
翌朝6時。
ベットから起きて行動を起こそうとすると、
前日とまったく同じことが繰り返されている。
同じ人物に会い、
同じ言葉を聴き、
同じアクシデント。
そうしてフィルは、
2月2日という日を際限なく繰り返すことになるのだが・・・
皮肉屋の主人公フィルが、毎日同じ日を学習することによって、
次第に人格者に変わっていく過程が面白い。
車に飛び込んでも、ビルから飛び降りても、朝6時になると何事まなかったように同じ事が繰り返される。
実は好意を寄せていたリタのことも、毎日(といっても同じ日だが)いろんなことを聞いていくことによって、彼女を本当に理解するようになるところもいい。
雪がとってもロマンティックなんですよね。
毎日同じ日を過ごすことによって、この小さい村の有名人になっていくとこも愉快だが、ホームレスの老人が亡くなってしまう現実だけは変えることができないのは哀しい。
主役のフィルを演じるビル・マーレイが、ほかの作品のようにおちゃらけた演技でないのも、この作品の成功のポイントになった。
1時間40分ほどの小品で低予算ながら、
なかなかいい作品です。
たくさんの人に観てほしいな。