ピッツア橋本

ディス・イズ・イングランドのピッツア橋本のレビュー・感想・評価

4.4
"スキンヘッズと十字軍"

80年代イギリスを舞台にしたティーンエイジャー達の群像劇と時代の影に迫った青春ストーリー。

主人公のちょっと生意気な少年が背伸びしながら地元の不良に溶け込んでいく姿が前半は微笑ましい。
この頃のスキンヘッドはそんなに強いアティチュードの現れなのだなあという所を新鮮に感じた。

問題はムショ上がりの国粋主義の額に十字タトゥーのあるスキンヘッド、コンボがやってきてからだ。
彼が巻き起こす論争と暴力の香りは、当時の国勢の空気感をそのまま詰め込んだもの。実に象徴的なキャラクターなのだなと感じた。

コンボは最低な奴だが、カレの立場になって生い立ちや気性、境遇を考えるとやりきれない気持ちにもなる。

寂しいけど、見応えのある映画。
ピッツア橋本

ピッツア橋本